アメリカの高校の時間割ってどんな感じ?
この記事では、アメリカの公立高校に通う高校生の親が、アメリカの高校の時間割について解説します!
こんにちは。
けいちょこです。
・アメリカ在住、子供2人
・子供 → アメリカ高校1年生 / 中学校1年生(執筆時)
日本の中学生がアメリカの公立高校に入学しました。
アメリカの高校生は一人一人違う、自分だけの時間割を作ります。
必修科目と選択科目、卒業後を見据えて高校4年間でどのように単位を取っていくのかなど、いろいろなことを考える必要があり、これでいいのかなと何度も何度も子供と一緒に今年の時間割について考えました。
選択肢がある中で自分で時間割を決めることは、高校生活や卒業後について考えることになり、とても価値があると感じました。
この記事でわかること
- アメリカ高校生のリアルな時間割
- 時間割の組み方
- 日本から来たばっかり!選択して良かったこと
- こんなこともあるよ!知っておきたかったこと
日本の中学生がアメリカの高校に入学した経験をもとに、具体的にお伝えします!
ここでは子供が通う高校のリアルな話をしています。一般的にどの高校でも同じ、ということではないのでご注意ください。
アメリカ高校生のリアルな時間割
子供が通う高校の時間割の一例です。
基本的に55分の授業5時間と82分の授業1時間の計6時間授業です。
水曜日は55分の授業が1コマ少なくて学校が早く終わる日です。
木曜日に一コマ空きがありますが、木曜日は82分授業が3回あって、授業時間は同じです。
朝8時から午後2時25分まで、ランチタイムは25分、各授業の間の休み時間は3分で、その間にクラスを移動します。ちなみに遅刻には厳しいです。
ランチタイムは行列に並んで席もいっぱいなので、ゆっくり食べる暇はないです。
子供はスクールバスで通っていて、朝6:45にバスに乗り、学校に着いてから授業まで1時間近くあるので、友達とおしゃべりして時間を過ごしているそうです。
帰りはバスが3時に学校から出発します。部活など放課後のアクティビティーに参加するとバスには乗れないので、親が迎えに行きます。
高校の教科は
・English
・Math
・Social Studies
・Science
・Visual and Performing Arts
・Foreign Language
・Physical Education and Health
に分類されます。
各教科2つ以上のコースが用意されています。
例えば高校1年生の English は
・Honors(レベルが高い) コース
・普通コース
が用意されています。
Honors は授業進度が早く、宿題もたくさん出て、より語彙力などを強化できるコースです。
また英語が第一言語ではなく、ネイティブレベルに到達していない場合、English Language Learner (ELL)向けのコースが用意されており、その中でも難易度によってコース分けされています。
Englishの単位は4年間毎年取る必要があり、ELLのクラスはEnglishの単位として認定されるので、高校卒業時にEnglishの単位が足りないということはありません。
Honors やAP (Advanced Placement:大学の単位として認定されるレベルの高い授業)など上級レベルのコースを選択するためには、あらかじめその下のレベルのコースを修めている必要があったりするので、高校卒業を見据えて計画性をもって時間割を組むことが大切です。
1年生の科目では Math 、Social Studies 、Science も Honorsと普通コースに分かれています。そのほかにもVisual and Performing Arts、Foreign Language にも Honors コースがあり、1年生の時から高い目標を持ってコース選択することができます。
Englishのように4年間毎年単位を取る必要がある教科もあれば、そうでない教科もあります。
例えば、Foreign Language は2年間分の単位が必要なので、1、2年生では取らないで3、4年生で取るという選択もアリです。(アメリカの高校は4年間です。)
子供はELL向けコースを1つ取っていることもあり、1年目は英語に専念するということで今年は Foreign Language は取っていません。
Visual and Performing Arts は1年間の単位で卒業はできるのですが、例えばDigital Art and Animation など1、2、3と複数のコースが用意されているものもあり、1の単位を取っていないと2が取れないという決まりになっていて、卒業に必要な単位をとりつつ自分のやりたいことに向けて時間割を組んでいきます。
大学進学に向けて知っておくこともあります。
大学進学に向けて知っておくこと
・日本のように入試の一発勝負ではなく、高校時代の成績が重要
・高校3年生の成績が最も重要だけど、高校1年生の成績から大切
・常に難しいコースにチャレンジする姿勢があるか
・1年生の成績から上昇傾向が望ましい
・難関大学進学には Honors や APコースで良い成績をとっておくことが必須
なんかとっても大変そうです。
大学進学を考えて、3年生4年生でAPコースを選択するために時間割の中に数学を2つ組み込む、ということもできます。
時間割の組み方
ポイント
編入前にガイダンスカウンセラーと面会して時間割を決めるので、それまでに情報を整理しておくことが大切です。
高校には複数のカウンセラーが在籍していて、学生一人ひとり担当のカウンセラーが決まっています。
基本的には4年間同じカウンセラーが担当します。
カウンセラーと時間割について話す前に、アメリカの高校の時間割の組み方についてしっかりと調べておく必要があります。
とにかく高校のStudent Handbook とProgram of Studiesを読み込む!
Student Handbook 等は高校のwebサイトで見られると思います。
すごい量なので印刷して(分厚い!)読み込みました。
何度も何度も見直すことになるので、印刷するのがおすすめです。
Student Handbook とProgram of Studies以外にも高校のwebサイトのいろいろな場所に情報があるので、少しずつ理解して頭の中で情報を結びつけていく作業はめちゃくちゃ時間がかかりました・・・。
カウンセラーとの面会は親も同席することができます。
質問したいことがあるのになかなかタイミング良く質問できなくて大変でした。(泣)
また English や Math は編入する前にテストがあり、その結果に基づいてクラスが決まるので、クラス選択の相談の余地がない場合もあります。
Visual and Performing Artsはたくさんのコースが用意されています。今年選択するかしないかも含めて考えます。
Foreign Languageは今年選択するのかしないのか、選択するならどの言語にするのかということを考えておく必要があります。
日本から来たばっかり!選択して良かったこと
前半に空き時間を作る
Physical Education and Health は半期のコースなので、前半に入れるか後半に入れるか選べます。
なので残りの半分に他の授業を入れることもできますが、カウンセラーの話では半分空けている人が多いとのことでした。
アメリカの高校生は欠席したら、24時間以内に先生に連絡して授業の内容を確認したり、小テストなどがあれば1週間以内にスケジュールを調整して受けなければならないなど、全ては学生の責任で行うことになっていて結構大変です。
子供は空き時間に宿題をしたり、放課後に先生に質問するために休み時間に課題をまとめたりしているので、空いている半分に好きなギターのコースを入れようと思っていたけどやめて良かったそうです。
空き時間を前半、後半どちらにするかは迷いましたが、アメリカでの授業に悪戦苦闘しているので前半の空きを有効活用しています。
好きなコースを選択する
計画性を持って時間割を組むことは大切ですが、やりたいことがあるかどうかは高校生活を送る上で大きな違いを生むのかなと思います。
子供の場合は好きなコーラスの授業を選択して、日本とのウォーミングアップの発声の違いや音楽の違いを感じたり、広い部屋で思いっきり歌えて楽しいようです。
こんなこともあるよ!知っておきたかったこと
自分の思った通りの時間割にならないことも
子供の高校の場合は1年間で7つのコースが選択できますが、7つ全てを自分の希望通りのコースにすることができないこともあります。
例えば、上級コースを選択するためにはテストの成績や先生の推薦が必要だったり、取りたいコースの組み合わせによっては時間が重なっているものがあり、両方は取れないこともあります。
子供の場合、ELL向けのコースを3つ取る必要があれば、コーラスと時間が重なっていて今年はコーラスを選択できないとのことでがっかりしていたのですが、その後テストの結果からELL向けのコースが1つになり、無事コーラスを取れることになりました。
必修科目以外はいくつか候補を考えておくと、カウンセラーとの面会時にバタバタせず柔軟に対応できます。
公立高校1年生の普通コース
Honorsではない、普通コースは「勉強好きじゃないんだろうなーという雰囲気の人」がたくさんいて、割合は男子が多いそうです。
娘はELL向けではない English と Social Studies のコースを取ることになった時、普通コースの雰囲気は予想していたので Honors にするか悩みました。
結局普通コースを選んだのですが、English もSocial Studies もネイティブの男子3人と一緒の4人でグループ活動をガッツリしており、かなりキツいそうです。
女子もめちゃくちゃすごいギャル(?)が何人かいたり、ユニークな環境になる可能性があることをお伝えしておきます!
時間割を決めるのが遅いと取りたいコースが取れなくなる
時間割をアレコレ考えて最終決定が遅かったので、Physical Education and Health の前半の枠がいっぱいになってしまい後半に取ることになりました。
後半は勉強で忙しくなるかもしれないから前半に取れたら、と思っていましたが、英語に慣れていない前半に空きがあって良かったと娘の話を聞いて思っています。(後半になったら、やっぱり後半に空きがあった方がよかったと言ってるかもですが。)
2週間はコース変更可能
2週間の間はコース変更も、コースのキャンセルも成績への影響なしに可能です。
実際に最初の頃はコースのメンバーに数人入れ替わりがあったそうです。
先生についての情報
知り合いがいなかったから全然なかったんですよねー。
先生についての情報はほしかったです。
先生によって単位の難易度が変わるらしいので、情報を集められそうな方はしっかり集めてくださいね。
アメリカ高校生の時間割まとめ
アメリカ高校生の時間割まとめ
・リアルな高校生の時間割
・時間割の決め方
・選択して良かったこと
・知っておきたかったこと
とにかく調べることが多くて大変ですが、いろいろな選択肢から自分で時間割を決められることは、今後について考えることになり、とても魅力的だなと感じました。
この選択を数年後に振り返って子供自身がいい選択だったと思えたらいいなぁと思います。
読んでくださったみなさんが納得のいく時間割が組めますように!
以上、アメリカの公立高校に通う高校生がいる現場からお伝えしました。
最後までお読みいただきありがとうございました!